学園長メッセージ
イマココの在り方
―― 停滞を破り、自走するための宣言
イマココはフリースクールではありません。 教える場所でも、居場所を提供する場所でもありません。 何かを与えたり、何かをしてもらうことを前提とした場ではありません。
ここは、自分の都合や判断だけで動く場ではなく、大人も子供も、場の流れや周囲との関係の中で成り立っています。それぞれがここに来て、共に過ごし、動く中で、自然に整っていく場です。
ここでは、大人も子供も行動で示すことを大切にします。 もっともらしい理由は、行動しないための言い訳に過ぎません。 やりたくないことを口にすることもあるでしょう。それでも、目の前に起きていることはすべて必然であり、今やるべきこととして現れています。
言葉よりも行動がすべてです。 理由ではなく、実際の関わりと動きがそのまま現れます。
学校に行けないこと、行かないことは問題ではありません。 日常の流れが滞らなければ、自然に道は拓けていきます。
1. 停滞を正当化する「優しさ」への疑念
昨今の不登校支援の現場では、「居場所」「好きなこと」「遊び」「ゆっくり」「そのままで」といった言葉が溢れています。一見、これらは子供に寄り添う優しい言葉に聞こえるかもしれません。
しかし、私たちは危惧しています。 これらの言葉が、時として本人のエネルギーを奪い、「停滞」を正当化する麻薬になってしまっている現状を。
「何もしなくていい」「今のままでいい」と言われ続け、ぬるま湯のような空間で消費的な遊びに耽る。それは本当の意味での「回復」でしょうか。むしろ、自走するための心の筋肉を退化させ、現実から自分を切り離す「停滞」を助長しているに過ぎないのではないか。
不登校そのものは問題ではありません。本当の問題は、日常の流れが滞り、自ら動く力を失ってしまうことです。「ゆっくり休む」という名目のもとで、期限のない先延ばしを繰り返しても、道は拓けません。理屈や理由を探して動かない時間を「自分と向き合う大切な時間」と美化することも、私たちはしません。
滞りを解消するのは、頭の中の理解ではなく、具体的な身体の動きです。目の前の作務に没頭し、場の流れに合わせて身体を動かす。その「必然の動き」の中にこそ、自分を整え、次の一歩を踏み出すための真の生命力が宿ります。
私たちは、甘えを助長する「まやかしの優しさ」を捨て、共に動き、共に整っていく「厳しくも温かい場」でありたいと考えています。
2. 過去という幻想、今ここの身体
つらい出来事が起きた直後、何をする気力も起きない時期があるのは事実です。休息が必要な時もありますし、その環境から物理的に距離を置くことも重要でしょう。
しかし、知っておかなければならないことがあります。 どれほど深い傷であっても、それは今この瞬間、目の前にあるものではありません。それは、すでに過ぎ去った「過去の記憶」という残像です。
「自分は傷ついているから動けない」と思い込むこと、その自己定義こそが、生命の「滞り」を引き起こします。実体のない過去の痛みに囚われ、思考の中に閉じこもる。もっともらしい理由を並べて、目の前の現実から目を逸らす。それは「癒し」ではなく、自らを停滞という牢獄に閉じ込める行為に他なりません。
「今ここ」には、実は何も起きていないのです。 目の前にあるのは、ただ流れる時間と、共にある場と、なすべき動きだけです。
だからこそ、私たちは「理由」を捨て、身体を動かすことを求めます。過去の重荷を下ろし、今、この瞬間の必然に身を投じる。その動きの中でこそ、停滞していたエネルギーは再び循環し始めます。
3. 自意識という檻を抜け出す
他人の目が気になる。周囲で何か噂をされているのではないか。そうした不安に足が止まることもあるかもしれません。
しかし、知っておくべき真実があります。 他人は、あなたが思うほど、あなたのことを気にしていません。 あなた自身が、一日中誰かのことばかりを考えてはいないのと同じように。
「誰かにどう見られるか」という自意識は、実体のない幻想に過ぎません。その不確かな「他人の視線」という妄想にエネルギーを注ぎ、自分の日常を滞らせること。それ自体が、最も不毛な停滞を引き起こします。
学校に行かない自分、動けない自分。それらを「世間」という鏡に映して悩み続けるのは、鏡の中の残像と戦っているようなものです。鏡を見るのをやめ、外へ目を向けなさい。
今、目の前にある場。今、共にある仲間。今、なすべき一歩。 自意識という檻から抜け出し、身体を動かすこと。その「無心」の動きの中にこそ、他人の目など入り込む余地のない、本当の自由があります。
私たちは、大人も子供も一人の人間として、対等に向き合います。 理屈ではなく、実際の動きの中で、共に道を拓いていきましょう。
2026.3.31
一部体制変更により、担当スタッフの退職がありました
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